「加島大輔!」
吾輩はアシカである。
九州プロレスの練習生に加島大輔という若者がいた。
「おい、加島~! 膝は~?」、「大丈夫です!」
練習中に膝を痛めながらも苦しいトレーニングに耐え、厳しい練習に立ち向かった。
その「加島大輔」に九州プロレスの「筑前りょう太」理事長から今回、初舞台が用意された。
デビュー戦である。
このたびの大地震で開催そのものが危ぶまれたが、大会名を「熊本ば元気にするバイ!」に変更して執り行われた。
第一試合。
「かしま~だいすけ~!」
リングアナウンサーの声が響く。
入場曲など無い。
しかし、そこには清々しくリングに立つ加島大輔の姿があった。
対戦相手は「桜島なおき」。加島の師範代でもある。
「桜島」と「加島」。二人とも完璧なまでの仕上がりである。
師弟の切磋琢磨、情熱・・。「よくぞここまで!」
目頭は熱く燃え、鼓動は高まり・・、この後は何も覚えておらぬ。
翌日、「加島大輔」が「ばってん×ぶらぶら」と来店してくれた。
「試合はどうだった? 7分は長かった?」
「あっと言う間でした。と言うより、何も覚えてないです。」
そんな事はどうでもよい。加島、君が元気に吾輩の前に立ってることこそが最良の報告なのである。
「サインは練習してきたかい?」、「はい!」
ホワイトボードで何度か練習して、いざ本番。
目黒祐樹さんや天野周一さんのサインをお手本にしながら・・
「できました~♪」 初めての色紙への正式なサイン。
これもまた一つの初舞台である。
アンフィニ・ビーは10年目の舞台。10年前の初舞台を思い出しながら、「今」に感謝するばかりである。